マインクラフトを本格的に楽しむためには、自分や仲間だけで自由に遊べるサーバー環境が欠かせません。
レンタルサーバーやVPSを利用する方法もありますが、もっと柔軟に環境を構築したい、複数のサーバーを並行して運営したいという人におすすめなのが「VM(仮想マシン)」を活用したサーバー運営です。
VMを使えば、1台の物理マシンの中に複数の独立した環境を作成でき、開発用・テスト用・本番用といった使い分けも可能になります。
これにより、安定したマルチプレイ環境を提供しながら、新しいMODやプラグインを試す際にも安心して管理できるのが大きな強みです。
この記事では、「マイクラサーバーにおけるVMとは何か」「VPSとの違い」「VMを使うメリット・デメリット」「おすすめのVM環境」「構築手順」までを分かりやすく解説します。
これからVMを利用してマイクラサーバーを構築しようと考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
- マイクラサーバーにおける VM(仮想マシン)の基本的な仕組み
- VPSとVMの違いと、それぞれの使い分けポイント
- VMを使ってマイクラサーバーを運営する メリットとデメリット
- おすすめのVM環境(VirtualBox、VMware、Hyper-Vなど)
- VMを利用してマイクラサーバーを構築する手順

今回の記事ではマイクラサーバーでVMを使う方法についてご紹介していくよ!
マイクラサーバーにおけるVMとは?

VM(Virtual Machine/仮想マシン)とは、物理的なPCやサーバーの中に、もう一つの「仮想的なパソコン」を作り出す技術です。
実際のハードウェアを分割して利用することで、複数の独立した環境を同時に動かせるのが大きな特徴です。
マイクラサーバーにおいて「VMを使う」とは、自分のPCやクラウド上に仮想マシンを構築し、その中にサーバー環境を用意することを意味します。
これにより、通常のPC作業環境とは分離された独立したサーバー空間を確保でき、サーバー用に特化したチューニングやセキュリティ対策が可能になります。
例えば、自宅PCにVirtualBoxやVMwareといった仮想化ソフトを導入すれば、1台のPC上に「ゲーム用」「サーバー用」といった複数の環境を作り出せます。
また、AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスを利用すれば、インターネット上の仮想マシンにマイクラサーバーを立てることもできます。
要するに、VMは「仮想的に作ったもう1台のパソコン」であり、その中にマイクラサーバーを立ち上げて運用する仕組みといえるのです。
VPSとVMの違い
マイクラサーバーを立てる際によく混同されるのが VPS(Virtual Private Server) と VM(Virtual Machine) です。
両者は似ていますが、運用の仕方や管理の範囲に大きな違いがあります。
管理範囲と自由度の違い
VMは、ユーザーが自由にOSをインストールし、ネットワーク設定やリソース配分を決めることができます。
例えば、自宅PCでUbuntuをVMに入れてマイクラサーバーを立てる、といった使い方です。
自由度が非常に高い反面、設定や障害対応もすべて自己責任になります。
セキュリティ対策やバックアップの仕組みも自分で用意する必要があります。
VPSは、すでにある程度の環境が整った状態で利用を開始できるため、初心者でも比較的簡単にサーバーを立ち上げられます。
多くのVPSは管理画面からOSの再インストールやスペック変更ができるため、自宅でVMを動かすよりも安心・便利です。
ただし、VMほど自由に細かいカスタマイズができないケースもあります。

マイクラサーバーを始めたい初心者はVPSを選ぶのが無難ですが、サーバー構築を学びたい人や高度なカスタマイズを求める人にはVMが最適 です。
VMを使ってマイクラサーバーを立てるメリット

VM(仮想マシン)を使ってマイクラサーバーを構築する最大の魅力は、柔軟性と学習効果の高さにあります。以下では、その具体的なメリットを解説します。
環境を分離できる
VMは物理マシンの中に「もう一つのパソコン」を作り出す技術です。そのため、普段使っているOS環境とは完全に独立したサーバー環境を用意できます。
例えば、自宅PCにVMを作り、その中にLinuxをインストールしてマイクラサーバーを動かせば、普段の作業環境を汚すことなく安定して運用可能です。
これは「ゲーム用」「サーバー用」と環境をきれいに分けられる点で大きなメリットとなります。
OSや設定を自由に選べる
VPSの場合は事業者が用意したOSや設定から選ぶ形が一般的ですが、VMなら自分で好きなOSを導入できます。
Windows ServerやUbuntuなど、自分が慣れているOSを選んでサーバーを構築できるため、自由度の高さは抜群です。
また、ネットワーク設定やリソース配分(CPUやメモリ割り当て)も細かく調整可能です。
実験・学習に最適
VMは「失敗してもすぐにやり直せる」という利点があります。スナップショットを取っておけば、誤った設定をしても一瞬で元に戻せます。
これはサーバー構築を学習したい人にとって非常に便利で、マイクラサーバーの環境を何度も試しながら理解を深められます。
ITエンジニアの練習環境として使われることも多く、マイクラを通じてサーバー運営やLinuxの知識を実践的に学べる点は大きな魅力です。
高度なカスタマイズが可能
VMは完全に独立した環境であるため、自由にソフトウェアを導入できます。
プラグイン管理、MOD対応、セキュリティツールの導入、バックアップ体制の構築など、細かいチューニングが可能です。
特に大人数で遊ぶサーバーを構築する場合や、パフォーマンスを突き詰めたい場合には、VPSよりも柔軟に最適化できるのがVMの強みです。
無料〜低コストで始められる
自宅PCを使えば追加費用なしでVMを構築できます。
また、AWSやGCPなどのクラウドサービスでも無料枠を利用すれば、一定期間はコストをかけずにマイクラサーバーを立てられます。
お金をかけずに試したい人や、テスト運用したい人にとって大きなメリットとなります。

これらのメリットから、VMは「マイクラサーバーを自由に構築・学習したい人」にとって理想的な環境だと言えるでしょう。
VMを使うデメリット・注意点
VM(仮想マシン)は自由度が高い反面、注意すべき点も少なくありません。
特にマイクラサーバーを安定して運営するためには、以下のようなデメリットやリスクを理解しておく必要があります。
リソース不足になりやすい
VMは物理マシンの性能を分割して使うため、PC自体のスペックが低いとすぐに限界に達します。
常時稼働には電気代・機器負担がかかる
自宅PC上のVMで24時間サーバーを動かすと、電気代が上がるだけでなく、PCの寿命も縮みます。
特にノートPCで常時稼働させるのは冷却不足やバッテリー劣化のリスクが高く推奨されません。
クラウド上でVMを利用する場合でも、従量課金制のため長期間運用するとVPSより高額になるケースがあります。
ネットワーク設定が難しい
VMを外部からアクセスできるようにするには、ポート開放やIPアドレスの設定が必要です。
ルーターやファイアウォールの知識がないとつまずきやすく、特に初心者にはハードルが高いポイントです。
また、誤った設定をするとセキュリティリスクが発生し、外部から攻撃される可能性もあります。
セキュリティリスクを自分で管理する必要がある
VPSであれば提供事業者がある程度セキュリティ対策を施していますが、VMは基本的に利用者の責任で守る必要があります。
トラブル対応をすべて自分で行う必要がある
VMはあくまで「自分の管理下の仮想環境」であり、VPSのようにサポート窓口はありません。
サーバーが落ちた、動作が重い、ネットワークに繋がらないといったトラブルもすべて自己解決が必要です。
サーバー管理の経験がない人には負担が大きい点です。

これらのデメリットを理解した上で利用しないと、快適なサーバー運営が難しくなる可能性があります。したがって、学習目的や短期間の運用にはVMが適している一方で、長期安定運用にはVPSの方が安心といえるでしょう。
マイクラサーバーにおすすめのVM環境
マイクラサーバーをVMで構築する場合、選択肢は大きく 「自宅PCに仮想環境を構築する方法」 と 「クラウド上のVMを利用する方法」 の2つに分かれます。
それぞれの特徴とおすすめ環境を見ていきましょう。
自宅PC向けVM環境
環境 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
VirtualBox(無料) | 無料で利用できる代表的な仮想化ソフト | 導入が簡単・初心者向け | 動作が重め、商用利用に不向き | お金をかけずに試したい人 |
VMware Workstation Player / Pro | 安定性の高い仮想化ソフト | リソース割り当てが細かい・安定性抜群 | Proは有料、やや上級者向け | 長期運用・安定性重視の人 |
Hyper-V(Windows Pro標準搭載) | Windows OSに統合された仮想化機能 | 導入が簡単・追加ソフト不要 | 設定がやや専門的 | Windows環境で運用したい人 |
クラウド向けVM環境
サービス | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
AWS EC2 | 世界最大のクラウドサービス | 無料枠あり・大規模運用も可能 | 従量課金で料金が高くなる可能性 | 学習+公開運用したい人 |
Google Cloud Platform(GCP) | Google提供のクラウド | Always Free枠で無料利用可・ネットワーク性能が強い | 設定がやや難しい | 無料で常時稼働したい人 |
Microsoft Azure | Microsoftのクラウド | Windowsとの相性◎・学生向け無料枠あり | AWS同様、料金が上がりやすい | Windows派・学生ユーザー |

自宅環境ではコストを抑えて学習目的に活用し、公開サーバーはクラウドで安定運用するのがバランスの良い使い方です。
VMでマイクラサーバーを立てる流れ(基本手順)
マイクラサーバーをVM(仮想マシン)で構築する手順は、大きく以下の流れになります。
仮想化ソフトやクラウド環境の準備
まずは仮想マシンを動かすための環境を用意します。
- 自宅PCの場合 → VirtualBox / VMware / Hyper-V をインストール。
- クラウド利用の場合 → AWS EC2 / GCP / Azure でVMを作成。
ここでOSを選択しますが、マイクラサーバー運用では UbuntuなどのLinux系OS が軽量でおすすめです。
VMのスペック設定
VMのリソース(CPU・メモリ・ディスク容量)を決めます。
規模 | RAM | CPU | SSD |
---|---|---|---|
小規模(数人プレイ) | 2GB RAM | 1vCPU | 20GB SSD程度 |
中規模(10〜20人) | 4GB RAM | 2vCPU | 40GB以上SSD |
大規模(30人以上) | 8GB RAM | 4vCPU | 60GB以上SSD |
※マイクラはプレイヤー数が増えるとCPU・メモリ消費が大きくなるため、余裕を持ったスペックが必要です。
Minecraftサーバーファイルの導入
Minecraft公式サイトからサーバー用JARファイルをダウンロードします。
- 例)wget https://launcher.mojang.com/v1/objects/xxxx/server.jar
java -Xmx2G -Xms1G -jar server.jar nogui
でサーバーを起動。- 初回起動時に EULA(使用許諾) に同意する必要があります。
ポート開放とネットワーク設定
外部プレイヤーが接続できるように設定します。
- Minecraftデフォルトポート25565を開放。
- 自宅の場合はルーターでポートフォワーディングを設定。
- クラウドVMの場合は、セキュリティグループやファイアウォールで許可。
動作確認とカスタマイズ
- マイクラのクライアントから「自分のIPアドレス:25565」で接続し、動作確認。
server.properties
でサーバー設定(難易度・最大人数・PvP有無など)を調整。- 必要に応じて プラグイン(Spigot / Paper)やMOD を導入して機能拡張。
VMを使うと、自分専用の隔離環境でマイクラサーバーを立てられるため、PC作業環境に影響を与えずに運営できます。
クラウドVMを使えば24時間稼働も可能で、世界中のプレイヤーと安心して遊ぶことができます。
まとめ|VMは柔軟なマイクラサーバー運営に最適

VM(仮想マシン)を活用したマイクラサーバー運営は、柔軟性・独立性・自由度の面で非常に優れています。
通常の自宅サーバーやVPSに比べて、VMは「1台の物理マシンの中に複数の環境を作れる」という特性を持っており、開発環境やテスト環境、本番運営用のサーバーを分けて構築できる点が大きなメリットです。
これにより、プラグインやMODの動作確認を行う際にも本番環境に影響を与えず、安全にテストを進めることができます。
また、クラウド上のVMを利用すれば、24時間安定稼働・自動バックアップ・高いセキュリティといった恩恵を受けられ、仲間と安心してサーバーを共有できます。
さらに、自宅PCでVMを構築する場合も、低コストで自由度の高い環境を作り出せるため、学習用途から本格的な運営まで幅広く対応可能です。
もちろん、スペック不足や設定の複雑さといったデメリットもありますが、それらを理解し適切に対策すれば、VMは「小規模から中規模以上のサーバー運営」まで対応できる強力な選択肢となります。
結論として、VMは「自由度を求めるユーザー」「複数環境を並行運用したいユーザー」「低コストで柔軟に学習・運営を進めたいユーザー」にとって最適な解決策です。
マイクラをもっと深く楽しみたい人は、ぜひVMを活用して自分だけの理想的なサーバー環境を構築してみてください。
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