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メモリ高騰はなぜ起きている?原因と今後の価格動向をわかりやすく解説

PC
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「あれ、メモリってこんなに高かったっけ?」久しぶりにPCパーツショップや通販サイトを覗いて、そう感じた人は少なくないだろう。

2025年12月現在、PC業界ではメモリ価格が最大2.8倍にまで跳ね上がる異常事態が起きている。

しかも影響を受けているのはメモリだけではない。SSD、さらにはHDDまでもが同時に値上がりし、ストレージ全体が高騰局面へと突入している。

「一時的な値上がりだろう」「年明けには落ち着くはず」そう考えて様子見している人ほど、後からさらに高い価格で買うリスクを抱えているのが今の市場だ。

今回の高騰は、為替や需給の一時的な乱れではなく、AI特需を中心とした構造的な変化が背景にある。

本記事では、「なぜメモリ価格が2.8倍まで高騰したのか」「なぜSSDやHDDまで巻き添えで値上がりしているのか」「それでも今、メモリやSSDを買ったほうがいい理由」を、実際の価格推移や業界動向を交えながら、できるだけ分かりやすく解説していく。

「いつ買うべきか」で迷っている人こそ、今の状況を正しく理解することが、無駄な出費を避ける近道になるはずだ。

※本記事の内容は、記事更新日時点の情報をもとに作成しています。※本記事はTSG編集部が独自に制作しています。商品提供や広告掲載を受ける場合がありますが、ランキングや記事内容には一切影響を及ぼしていません。※また、本記事の一部においては、文章表現やイメージ画像の生成にAIツールを活用しています。

この記事を読むことでわかること

メモリ価格が異常高騰している現状を整理する

2025年後半に入ってから、PCユーザーの間で「メモリが高すぎる」「さすがに異常では?」という声が一気に増えた。

それもそのはずで、現在のメモリ市場は過去と比べても明らかに異常な値動きを見せている。

以前のメモリ高騰は、ハイエンド帯だけ、大容量モデルだけといったように、ある程度限定された範囲で起こることが多かった。しかし2025年12月現在は違う

DDR5・DDR4問わず、容量を問わず、全面的に価格が跳ね上がっているのが最大の特徴だ。

特にDDR5では、32GB×2枚が約2.8倍、16GB×2枚も約2.8倍と、もはや「値上げ」という言葉では済まされないレベルに到達している。

数か月前まで「今が底値かも」と言われていた価格が、一気に昔の2〜3倍になってしまったのだ。

11月時点では、値上がりが目立っていたのは48GB×2枚などの大容量メモリが中心だった。そのため、多くの人は「自分は16GBや32GBだから大丈夫」と考えていたはずだ。

しかし12月に入ると、在庫不足が一気に深刻化し、容量に関係なく値上がりが波及した。

結果として、エントリー向け、ミドルレンジ、ハイエンドすべての価格帯が同時に上昇する、極めて珍しい状況が生まれている。

特に象徴的なのが、長年「定番・安定」の代名詞だったCrucialブランドの価格だ。

RAM価格
DDR5-5600 48GB×2枚約18万円前後
DDR5-5600 32GB×2枚約10万円前後
DDR5-5600 16GB×2枚約5万3,000円前後

「Crucialですらこの価格」という事実は、市場全体が正常ではないことを強く示していると言えるだろう。

「じゃあDDR4ならまだ安いのでは?」そう考える人も多いが、それもすでに危険な認識だ。

DDR4は複数メーカーが生産終了を発表しており、供給は増えない、在庫は減る一方という構造になっている。

その結果、DDR5ほど急激ではないものの、DDR4も確実に値上がりトレンドに突入している。

さらに厄介なのは、デスクトップ用だけでなく、SO-DIMM(ノートPC用)も同時に高騰している点だ。

ノートPCの増設や換装を考えている人にとっても、「逃げ場がない」状況が広がっている。

なぜここまで在庫不足が深刻化しているのか

2025年に入り、生成AI・大規模言語モデル(LLM)の開発競争は新たなフェーズに突入した。

その中で決定的だったのが、SamsungとSK hynixがOpenAIと結んだ大規模契約だ。

この契約では、最大で月間90万枚規模のDRAMウェハを供給する体制を構築するとされている。

この数字がどれほど異常かというと、世界全体のDRAM生産量の約4割に相当するとも言われている。

つまり、本来であれば一般向けPC、ゲーミングPC、BTOメーカー、自作市場に回ってくるはずだったDRAMが、AIサーバー向けに優先的に吸い上げられているというわけだ。

メモリメーカーの視点で見れば、この動きは極めて合理的だ。

AIサーバー向けは大量・長期・高単価で契約が安定しており、価格交渉力も高く供給リスクが少ない。

一方、個人向け市場は、需要が読みにくく価格競争が激しいうえ利益率が低い。

このためメーカーは、利益を最大化できるAI向けを最優先し、個人向けメモリは必然的に後回しになっている。

結果として、市場に出回る一般向けDDR5・DDR4は急激に減少し、在庫が枯渇 → 価格が跳ね上がるという流れが一気に進んだ。

さらに状況を悪化させたのが、他のPC・サーバー関連メーカーによるDRAM確保競争だ。

「このままでは必要な分が確保できない」そう判断した各社が、先回りしてDRAMを押さえに動いた

この動きが、卸、流通、小売にまで波及し、連鎖的な在庫不足=パニック買いの状態を生んでいる。

この状況は、どこかで見覚えがないだろうか。そう、コロナ禍初期のマスク不足と極めて似ている。

結果として、本来の需要以上に物が消え、価格だけが急騰する

今回のメモリ高騰も、AI特需+供給集中+心理的要因が重なった、まさに同じ図式だと言える。

重要なのは、「この状況がすぐに解消されるか?」という点だ。

結論としては、短期的に在庫が回復する可能性は極めて低い

これらを踏まえると、在庫不足は2026年に入っても続く可能性が高いと見るのが現実的だ。

このように、現在の在庫不足は一過性のトラブルではなく、業界構造そのものが変わった結果である。

SSDも値上がりしている理由を解説

メモリの高騰が話題になる一方で、「なぜSSDまで一緒に高くなっているのか?」と疑問に感じている人も多いはずだ。

結論から言うと、SSDの値上がりもメモリ高騰と根っこは同じであり、しかも今後さらに価格が上がりやすい構造に入っている。

原因① DRAM優先でNAND生産が後回しにされている

SSDに使われるのはNANDフラッシュだが、現在、主要メーカーはNANDよりもDRAMを優先する動きを強めている。

特にSamsungは、SSD向けNANDの製造規模を縮小し、DRAM生産に注力する方針を明らかにしている。

理由は単純で、DRAM(特にAI向け)は高単価・高利益。NANDは価格競争が激しく、利益率が低い。

このためメーカー側は、「儲かるDRAMを作る」→「NANDは後回し」という判断を下している。

その結果、SSD向けNANDの供給が絞られ、SSD全体が在庫不足に向かい始めているのだ。

原因② Crucialブランド撤退による駆け込み需要

2025年12月、Micronが個人向け定番ブランド「Crucial」の廃止を発表したことも、SSD価格に大きな影響を与えた。

Crucialは、「信頼性が高い」「価格が安定している」「定番として選ばれやすい」という立ち位置だったため、「今のうちに買っておこう」という駆け込み需要が一気に発生した。

結果として、容量に関係なくハイエンドからミドルまで11月→12月で1.5倍以上の価格上昇が起きるという、異常な動きを見せている。

原因③ 人気ハイエンドSSDが軒並み値上がり

Crucialだけでなく、市場で人気の高いハイエンドSSDも、例外なく値上がりしている。

具体的には、Samsung 990 PROやWD_BLACK SN850Xといった定番モデルが、1TB・2TB・4TBすべての容量で価格上昇を記録している。

これは一部ブランドの問題ではなく、SSD市場全体が値上げ局面に入ったことを意味している。

原因④ メモリと同じ「在庫不安」が価格を押し上げている

SSD市場でも、「これ以上高くなる前に買っておきたい」という心理が強く働き始めている。

この流れは、メモリ高騰とまったく同じパターンだ。

一度この流れに入ると、価格はなかなか下がらない

重要なのは、「SSDは一時的に高くなっているだけではない」という点だ。

これらを踏まえると、SSDも2026年にかけて高値圏が続く可能性が高い

つまり、現在のSSD値上がりはメモリ高騰のついでではなく、必然的に起きている現象だ。

HDDも例外ではない|ストレージ全体が高騰局面へ

メモリとSSDの高騰が注目されがちだが、実はHDDもすでに値上がりの波に飲み込まれている。

「SSDが高いならHDDで代用すればいい」という発想は、もはや安全策とは言えない状況だ。

これまでHDDは、価格が安定していて容量単価が圧倒的に安いうえ最悪ここに逃げればいいという、ストレージ市場の最後の砦のような存在だった。

しかし2025年後半から、その前提が崩れ始めている。HDDも明確に値上がりトレンドへ突入しているのだ。

最大の要因は、生成AI用途による大容量ストレージ需要の急増だ。

生成AIの開発・運用では、「学習データ」「ログ」「中間生成物」「バックアップ」など、とにかく「大量のデータ」を保存する必要がある。

この用途では、速度よりも容量単価・安定供給が重視されるため、HDDが最適解になりやすい。

その結果、企業・研究機関・データセンターがHDDを大量に確保し始め、一般市場に回る在庫が減少している。

実際の価格動向を見ても、HDD最大手であるWestern Digital(WD)とSeagate両社の人気モデルで、明確な値上がりが確認されている。

特に、8TB以上の大容量モデルは需要が集中しやすく、11月〜12月にかけて急激な価格上昇が見られた。

メーカーやモデルごとにタイミングの差はあるものの、「HDDだけ安いまま」という状況ではなくなっている

もうひとつ見逃せないのが、SSD高騰による代替需要だ。

「SSDが高い」「容量を確保したい」「仕方なくHDDを選ぶ」こうした動きが増えることで、HDD側の需要も膨らみ、価格を押し上げる

つまり、SSD → HDDへの逃げ道が、逆にHDD高騰を招くという悪循環が生まれている。

と、すべて異なる理由で、同時に値上がりしている

これは過去にもあまり例がない、ストレージ全体が高騰局面に入った異常な状況だ。

今の市場では、「一番安いストレージを選ぶ」という考え方そのものが通用しにくい。

この現実を踏まえると、必要な容量を、必要なタイミングで確保するという考え方へ切り替える必要がある。

それでも今メモリ・SSDを買ったほうがいい理由

ここまで読んで、「ここまで高いなら、少し待ったほうがいいのでは?」そう感じた人も多いはずだ。

しかし結論から言うと、メモリやSSDが必要な人ほど、今買っておくほうが損をしにくい

理由は感情論ではなく、市場構造そのものにある。

理由① 2026年も値下がりする可能性が極めて低い

今回の高騰は、一時的な需要増や為替だけの問題といった短期要因ではない。

これらを踏まえると、2026年に入っても大きな値下がりは期待できない

むしろ、「今より少し下がったとしても、以前の価格には戻らない」という見方が現実的だ。

理由② PC本体価格も確実に上がる

メモリやSSDの値上がりは、パーツ単体の話で終わらない

BTOメーカーや完成品PCは、原価上昇を吸収しきれず本体価格に転嫁せざるを得ない。

実際、メーカー側から「今後PC本体を値上げする可能性が高い」という声も出ている。

つまり、「後でまとめてPCを買えばいい」は、より高くつく可能性が高い

理由③ 必要になってからでは選択肢がなくなる

価格以上に深刻なのが、「欲しいものが買えなくなるリスク」だ。

在庫不足が進むと、「容量が選べない」「速度や規格を妥協する」「信頼性の低いモデルしか残らない」といった状況が起こりやすい。

必要になる直前で慌てて買うほど、失敗する確率は高くなる。

理由④ 後から増設・換装するほうが割高になりやすい

「とりあえず今は最低限でいい」そう考えている人ほど注意が必要だ。

「メモリを後から買い足す」「SSDを追加で増設する」この後回しが、結果的に一番お金がかかるパターンになりやすい。

特にメモリは、「同じ型番が手に入らない」「相性問題が起きる」といったリスクも増える。

理由⑤ 「高い今」は、実は一番読めるタイミング

一見すると矛盾しているが、今は価格が高い分、先が読みやすい時期でもある。

この状況下では、「待てば安くなる」という根拠がほぼ存在しない

だからこそ、必要な人にとっては決断しやすいタイミングだと言える。

もちろん、「まったく必要ない」「数年使う予定がない」という人まで、無理に買う必要はない。

しかし、「PCを近々組む」「メモリ不足を感じている」「SSD容量が足りない」こうした人にとっては、今の価格は「高いが、最悪ではない」

メモリ・SSDの高騰は、すでに異常事態から新しい常態へ移行しつつある。

今買うならどんなメモリ・SSDを選ぶべきか

「今買ったほうがいいのは分かった。でも、この高い相場で何を選べば失敗しないのか

ここが一番重要なポイントだ。値上がり局面では、安さ重視の選び方ほど失敗しやすい。ここでは、今だからこそ意識すべき選び方を整理していく。

メモリは「必要最低限+少し余裕」が正解

まずメモリ容量についてだが、ギリギリの容量を選ぶのはおすすめしない

理由はシンプルで、後から買い足すほうが高くつく可能性が高いからだ。

といったように、「少し余裕を持った容量選択」が結果的に一番コスパがいい。

DDR5かDDR4かは「新規か既存か」で判断する

規格選びで迷う人も多いが、考え方は明確だ。

DDR4は生産終了の流れに入っているため、新規構成であえてDDR4を選ぶメリットはほぼない

一方、すでにDDR4環境を使っている場合は、「無理にDDR5へ移行しない」「必要な容量だけ確保する」という割り切りも現実的だ。

メモリは「信頼性重視」で選ぶべき理由

高騰期にありがちなのが、よく分からない激安ブランドに手を出すこと

しかし、「初期不良」「相性問題」「保証対応の弱さ」こうしたリスクを考えると、今は安さよりも信頼性を優先すべき時期だ。

具体的には、「Crucial」「Corsair」「G.SKILL」「Kingston」など、実績のあるメーカーを選ぶほうが安心だ。

SSDは「性能」より「安定供給と実績」を見る

SSDも同様に、ベンチマーク数値だけで選ぶのは危険だ。

今の相場では、「ハイエンド性能を追いすぎない」「発熱や寿命のバランスを重視」したほうが失敗しにくい。

特に、OS用・メインストレージとして使うなら、信頼性が高く、実績のあるモデルを選ぶのが鉄則だ。

容量は「大きめ」を選んだほうが後悔しにくい

SSDもメモリと同じく、後から増設するほうが不利になりやすい。

「1TBでギリギリ」「すぐに容量不足」「結局2TBを買い足す」こうなると、最初から2TBを選んだほうが安かったというケースは非常に多い。

今後の価格動向を考えると、1TBか2TBかで迷ったら2TBという判断は十分にアリだ。

「今買うなら避けたい」選択肢もある

最後に、今の相場だからこそ避けたほうがいい選択も押さえておこう。

これらは、短期的には安く見えても、長期的には損になりやすい

まとめ|メモリ・ストレージ高騰は長期戦。早めの確保が最適解

2025年後半に起きているメモリ・ストレージの高騰は、これまで何度もあった「一時的な値上がり」とは性質がまったく異なる。

今回の価格上昇は、「AI特需によるDRAMの大量消費」「メーカーの生産方針転換」「在庫不足と心理的な買い急ぎ」「定番ブランド撤退による市場の歪み」といった、複数の要因が同時に重なって発生している

そのため、「少し待てば元に戻る」という楽観的な見方は非常に危険だ。

本記事で見てきた通り、「メモリはAI向け需要で枯渇」「SSDはNAND供給縮小と駆け込み需要」「HDDは生成AI用途と代替需要」と、すべて違う理由で、同時に価格が押し上げられている

これは、ストレージ全体が「高値圏に固定される」可能性が高いことを意味している。

価格が高いと、どうしても「もう少し待ちたい」と思ってしまう。

しかし今の市場では、「待っても安くならない」「欲しい容量やモデルが消える」「結局、より高い価格で買う」というリスクのほうが大きい。

様子見が最適解だった時代は、すでに終わりつつある。

結論として、今後メモリやストレージが必要になる可能性がある人ほど、早めに確保するほうが合理的だ。

「今すぐ使う」「近いうちに使う」「PC更新を控えている」こうした人にとって、「高い今」でも買っておくことが、結果的に一番損をしにくい

今回の値上がりは、単なる異常事態ではなく、PCパーツ価格の前提そのものが変わりつつあるサインとも言える。

だからこそ重要なのは、価格が戻るのを待つことではなく、変化を前提に判断することだ。

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工藤

最後までご覧いただき、ありがとうございました!私個人に対する質問やご相談は@XAozameXのDMまでご連絡ください。

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